この記事は、Amazon販売で在宅で稼ぎたいけれど、会社が副業禁止だったり、個人情報を保護したいなどの理由で、自宅住所・電話番号を公開したくない人に向けて書いています。
Amazonで出品者として継続的に販売するには、「住所」「電話番号」「氏名」を出品者ページに表示しなければなりません。
「特定商取引法」という法律に沿って、Amazonが規約に定めています。
でも・・・
「自宅の住所や、普段使っている電話番号を表示できない。したくない!」
副業禁止の会社にお勤めだったり、自宅住所などの個人情報を公開したくないと考える方もいらっしゃると思います。
そこで、「住所」「電話番号」「氏名」について、それぞれを公開せずに運営する方法を調べてまとめてみました。
結論として、「住所」はバーチャルオフィスを借りる、「電話番号」はIP電話を利用する、で解決できます。
Amazon規約や特商法に沿った対策を、1つずつ解説します。
- Amazon出品で稼ぎたい人
- 会社が副業禁止などで住所や電話番号を公開するのが難しい人
- 誰でもみられるAmazonの出品者ページに、個人情報を載せたくない人
この記事では、Amazon出品者ページに表示するための住所・電話番号という視点で、バーチャルオフィスや、IP電話の各社の比較をしています。
料金などは変わることもありますし、比較した項目以外にも各社様々なサービス・オプションを展開しています。
目次
Amazon出品者は、特定商取引法に基づいて、「住所」「氏名」「電話番号」の表示が必要

Amazonで販売する出品者は、特定商取引法にもとづき、出品者情報を表示する必要があります。
出品者情報とは、
- 販売業者名
- お問い合わせ電話番号
- 住所
- 運営責任者名
- 店舗名
- 許認可情報
になります。
出品者情報の表示が必要なのは以下の出品者です。
- 大口出品者
- 法人出品者
- 繰り返し継続して出品している個人出品者

Amazon販売で稼ごうと思うなら、出品者情報の表示が必要ってことやね
【Amazon出品者】住所がバレるのを防ぐには

Amazonの出品者ページで表示する住所について、自宅住所を公開したくない場合は、バーチャルオフィスなどを借りるという方法があります。
バーチャルオフィスは、実際のオフィスを構えずとも、事業に必要なオフィス機能を利用できるサービスです。
Amazonサイトの出品者情報ページに表示する住所について、Amazonヘルプに記載されている内容です。
<住所について>
- 実際に事業をしている場所
- 建物名・部屋番号まで正確に記載する
- 個人出品者も表示する必要がある
郵便局の私書箱は不可とあります。
自宅で事業をおこなっている場合でも、表示が必要です。
また、「特定商取引法ガイド」の定義にも、
「個人事業者でも法人でも、実際に事業をしている住所を表示する」
と記載があります。
でも事情があって、自宅住所をAmazonサイト上に載せることが難しい。
そのような場合に・・・
「特定商取引法」の通信販売広告Q&A にバーチャルオフィス等の住所及び電話番号を表示することについて記載がありました。
- 特定商取引法で定める住所の表示は、トラブルがあった場合・消費者から問い合わせがあった場合の対応に備えるため
- 住所は、実際に事業をしている場所、電話番号は確実に連絡が取れる番号を表示する必要がある
- ただし、上記の要件を満たす以下のような措置が取られていれば、バーチャルオフィスの住所・電話番号を表示でも、特定商取引法の要請を満たすものと考えられる
”以下のような措置”とは?
- 個人事業者がバーチャルオフィスの住所・電話番号を表示する場合、バーチャルオフィスの住所・電話番号が、通信販売にかかる取引を行う際の連絡先としての機能を果たすことについて、個人事業者とバーチャルオフィス運営事業者との間で合意がなされていること
- 個人事業者がバーチャルオフィスの住所・電話番号を表示する場合、バーチャルオフィス運営事業者は、個人事業者の現住所及び本人名義の電話番号を把握しており、バーチャルオフィス運営事業者と個人事業者の間で確実に連絡が取れる状態となっていること
とあります。

つまり、
バーチャルオフィスの運営側が、バーチャルオフィスの住所・電話番号を、”取引をする際の連絡先”として使われることにOKしていること
と
バーチャルオフィスと個人事業者が確実に連絡が取れること
ができていればOKなんですね。
ということで、これらを満たすバーチャルオフィスを探してみました。
特定商取引法の要請を満たすバーチャルオフィスを探してみた
特商法の要請を満たし、月額料金の安いバーチャルオフィスを探してみました。
Amazonで販売していて、バーチャルオフィスに郵便物が届くことは、基本的にはないと思います。
ただ、自己配送で出品した商品が返品されたときに使うことがあるかもと思い、郵便転送サービスの有無も比較しました。
今回比較したバーチャルオフィス
初期費用 | 月額料金 | 郵便転送サービス | その他 | |
R INNOVATION(RESONANCE) <住所貸しプラン> | 入会金 5,500円 デポジット1,000円〜 | 550円 (要年間契約) | 週一回(郵送料実費) | |
GMOオフィスサポート <転送なしプラン> | 0円 | 660円 (12ヶ月契約) | なし (転送ありのプランもある) | |
NAWABARI <1年プラン> | 0円 | 1,078円 (要年間契約) | あり(送料実費) | 1ヶ月プランもあり(1,628円) |
DMMバーチャルオフィス <ネットショップ 支援プラン> | 入会金5,500円 補償金5,000円 | 660円 (要年間契約) | あり(宛先不明や返品に限る) | |
ワンストップビジネス センター <エコノミープラン> | 初期費用10,780円 | 5,280円 | あり(送料0円) | 全国の会議室が利用可能 |
一つずつ見ていきます。
R INNOVATION (RESONANCE レゾナンス)

株式会社ゼニスが運営するバーチャルオフィスです。
R INNOVATION (RESONANCE レゾナンス)
ネットショップ住所貸しプラン
- 入会金 5,500円 デボジット1,000円〜
- 月額料金 550円(税込) ※年間契約必要
- 週一回郵便転送サービスあり(送料実費)
GMOオフィスサポート

GMOグループが運営するバーチャルオフィスです。
- 初期費用 0円
- 月額料金 660円(12ヶ月契約)
- 郵便転送サービスなし (転送サービス有りのプランもあり)
※新規ご契約特典として3ヶ月分の基本料金が値引きに。(2022年12月現在)
NAWABARI

株式会社Lucciが運営するバーチャルオフィスです。
- 初期費用 0円
- 月額料金 1,628円(税込) (1年プラン 1,078円)
- 郵便転送サービスあり(送料実費)
DMMバーチャルオフィス

DMMが運営するバーチャルオフィスです。
ネットショップ支援プラン
- 入会金 5,500円
- 補償金5,000円(補償に使われなければ解約時に返金)
- 月額料金 660円(税込)※年間契約必要
- 宛先不明や返品に限り通知・転送可
ワンストップビジネスセンター 1 STOP BUSINESS CENTER

株式会社ワンストップビジネスセンターが運営するバーチャルオフィスです。
ワンストップビジネスセンター 1 STOP BUSINESS CENTER
エコノミープラン
- 初期費用 10,780円(税込)
- 月額料金 5,280円(税込)
- 週一回郵便転送サービスあり
- 全国の貸し会議室が利用可能
こちらは、初期費用も月額料金もそれなりにかかりますが、
「週一回の郵便転送の送料込み」
「全国にある会議室をいつでも利用できる」
とのことです。
郵便物の転送が多いとか、出張が多い人とか他県で人と打ち合わせをする機会が多い人なんかにはお得かな?と思い、載せました。

比較した5社の中では、GMOが一番コスパが良さそうです。
NAWABARIは1ヶ月プランもあるので、試しに借りたい人はいいかもしれません。
ワンストップビジネスセンターは高いけど、会議室が使えるので必要な人にはコスパいいなと思いました。
【Amazon出品者】電話番号がばれるのを防ぐには「IP電話」

Amazon出品者ページに表示する電話番号は、先の住所のところで書いたように、トラブルが生じた際や消費者から問い合わせに応答できるものであればよいということです。
ですので、普段使いの電話番号を載せる必要はありません。
私自身も個人名義の電話番号を載せていません。
ちなみにこれまで4年ほどAmazonで販売していますが、出品者ページに表示している電話番号にかかってきた電話は、多くが営業電話でした。
例えば、「いい商品があるから卸しましょうか?」など卸会社からの電話、通販会社からの電話、税理士紹介の営業電話などです。
お客様からの問い合わせは、メールでいただけるように出品者ページに記載しています。
出品中の商品についての問い合わせなどは、出先などでその場ですぐに調べることができなかったりします。
また、質疑応答の内容を記録に残して正確に丁寧にお答えするために、メールでの問い合わせをお願いしています。
私は、基本料金無料のIP電話(ネット回線を使った通話サービス)を利用しています。
私が使っているのは、楽天のSMARTalk です。
スマホに専用のアプリを入れて使います。
初期費用・月額料金・留守番電話・着信転送・非通知・指定番号の着信拒否の機能が全て0円です。
通話した分だけ料金がかかる仕様です。(8.8円/30秒)
私は、出品者ページに「お問い合わせはメールでお願いします」と記載していることもあってか、お客さまからの電話はほとんどないです。
ですが、SMARTalk は、現在新規申し込みを停止中。(2022年12月現在)
そこで、Amazon出品者ページ表示用に使えるIP電話を探してみました。
Amazon出品者ページに表示する用IP電話を比べてみた
めったにかかってくることはないですし、こちらからかけることもほぼないので、月額基本料ができるだけ安いIP電話がいいです。
たまに、お客様からの電話がかかってきたときに取れないこともあるので、留守番電話サービスがあるとより便利かな〜と思います。

以前、留守電に要件を入れてくれていたお客様に、折り返しで電話したことがあります。
丁寧に対応したところ、商品を購入してくださいました。
あと、4年使ってきて思ったのは、「不要な営業電話は、着信拒否したい」と感じたので、着信拒否できる機能もあったら、さらにうれしいです。
月額基本料の安いIP電話を5社比較してみました。
月額基本料 (税込) | 留守番電話 | 着信拒否 | 通話料(固定電話) 3分あたり(税込) | 通話料(携帯電話) 1分あたり(税込) | |
LaLa Call | 110円 | あり | あり | 8.8円 | 17.6円 |
050 plus | 330円 | あり | なし | 8.8円 | 17.6円 |
G-Call | 308円 | あり | なし | 8.8円 | 17.6円 |
FleaLine Light | 440円 | あり | なし | 8.8円 | 17.6円 |
My 050 | 初期設定550円 550円(6ヶ月毎) | なし | なし | 10.5円 | 19.8円 |
上の表は、月額基本料と留守電サービス・着信拒否機能・通話料のみにポイントを絞って比較しています。
※料金は2022年12月現在のものです。

他の機能やサービスなど、ご自分の使いやすさなどを考慮されて、利用規約を読んで、納得の上で申し込んでくださいね。
LaLa Call ララコール

関西電力のグループ会社が提供しているIP電話です。
- 月額基本料 110円(税込)
- 留守番電話サービスあり
- 着信拒否機能あり
- 通話料 固定電話:3分8.8円 携帯電話:30秒8.8円

月110えん〜〜♪
050 plus

OCNが提供するIP電話です。
- 月額基本料 330円(税込)
- 留守番電話サービスあり
- 着信拒否機能なし
- 通話料 固定電話:3分8.8円 携帯電話:1分17.6円
G-Call

株式会社ジーエーピーが提供するIP電話です。
- 月額基本料 308円(税込)
- 留守番電話サービスあり
- 着信拒否設定なし
- 通話料 固定電話:3分8.8円 携帯電話:1分17.6円
FleaLine Light

株式会社コヴィアが提供するIP電話です。
- 月額基本料 440円(税込)
- 留守番電話サービスあり
- 着信拒否機能なし
- 通話料 固定電話:3分8.8円 携帯電話:17.6円
My 050

ブラステル株式会社が提供するIP電話です。
2022年8月までは無料で利用できていたようですが、現在は有料化されています。
- 設定費 550円(税込) 番号維持費 6ヶ月毎 550円
- 留守番電話サービスなし
- 着信拒否機能なし
- 通話料 固定電話:3分10.5円 携帯電話:1分19.8円

比較した5社の中では、月額基本料の安さと、留守電サービス・着信拒否機能もついている「LaLa Call 」が一番良いかなと思いました。
【Amazon出品者】名前がばれるのを防ぐには

Amazon出品者ページには、「販売業者名」と「運営責任者名」の表示が必要です。
名前の表記をローマ字にしたり、苗字だけの表示にして特定できないように表示している出品者さんもいらっしゃるので、その方法もありかとは思いますが・・・
Amazonセラーセントラルヘルプには、
<販売社名 >個人出品者・・・戸籍上の氏名
法人出品者・・・登記簿上の名称
<運営責任者>
出品に関する業務の戸籍上の氏名
販売社名と運営責任者名の欄に記載するのは、「戸籍上の氏名」とあります。
また、特定商取引法ガイドには、
「氏名については、個人事業者の場合には、戸籍上の氏名の記載が必要。商業登記簿に記載された商号を通称や屋号やサイト名は認められません。」
と記載があります。
「戸籍上の氏名」とあります。
戸籍上の氏名となると、苗字+名前の漢字表記ということになります。
ですので、名前に関しては、規約上・法律上、本名での表示が必要になります。
ただ、Amazon出品者でローマ字表記の方や苗字のみの方もいらっしゃる、という事実はあります。
その辺はどうしても本名を載せたくないなら自己責任で・・・お願いします。
補足:Amazonテクニカルサポートにも問い合わせしました。
担当者さんからの返答です。

まとめ

Amazonで出品者として稼ぎたいけど、会社が副業禁止でばれると困る状況だったり、個人情報を公開したくないと思う人向けに、住所・電話番号・名前の表示の対策について書きました。
「住所」はバーチャルオフィス利用、「電話番号」は、IP電話を利用する、(名前については上述)で、ばれずに運営が可能です。
最後にお願いですが、出品者ページの表示をいろいろと対策したとしても、購入者さんに対して誠実な運営をするように心がけてください。
電話に出られなくても、メールで問い合わせがあったなら、できる限り誠実にお答えしてください。
あなたが出品した商品に、興味をもってくださったお客様を大切にしてくださいね。
一出品者の不誠実な運営が、Amazon全体の評価を下げることがないように努めていきたいです。
購入者さんの不利益になること = Amazonが最も嫌うこと
です。
たとえ、Amazonの規約に沿って運営していても、購入者さんに不利益をもたらす出品者はペナルティや排除の対象になります。
特定商取引法も、消費者の利益を守ることが目的で制定されています。
最も基本的な部分を忘れないように、Amazon販売してくださいね。
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